20世紀初頭のアメリカ、日本人移民の娘ミユキ=シミズは、人力羽撃機(はばたきき)を夢見る少年ビル=テイラーと出会う。 しかし、ビルの羽撃機は失敗の連続だった。そんな時、ビルは航空学者ラングレーから、ビルの尊敬する飛行家リリエンタールの死を告げられ、羽撃機の無謀さを諭される。だが、ミユキの弟ケンのヒントによって立ち直ったビルはライト兄弟の飛行を目撃し、決死の覚悟で最後の羽撃機を完成させる。
1903年12月24日 ビルは天駈ける荒鷲となれるのだろうか。
「少年が羽ばたいて空を飛ぶ漫画」という、実にシンプルなコンセプトで描いた僕のデビュー作です。
えーこの作品は非常に凝った作り方をしていまして、例えば、ヒロインの日本人少女については、実際に当時のアメリカにそういう人物がいてもおかしくないよう図書館で江戸時代から明治までの海外渡航者名簿なる物を調べまして、実在の渡航者の娘という設定をたてました。(主人公のビルについても、航空理論を学ぶためヨーロッパに渡航した実在のアメリカ人ロバート=テイラーの息子という裏設定でした。)まあ、これは作品のできに全然影響しない(^^;;;;;)こだわりで、しょうがない奴なのですが、それだけ一生懸命だったというか、学生だったのでヒマだったというか(笑)
航空工学科の劣等生だった僕が「えーい!飛行機なんざ ぶっ飛ばせ!! 人間の力を見せてやるう〜!(^^;;)」なんて情念で描いたような所のある漫画でしたが、その後、大学の先生が授業の教材として使ったようなことを言っていて、それがホントだとしたら、まったく赤面モノですね。
実際、今見ると随所に構成の甘さや画力の拙さが目立ちますし(^^;)。コマも詰まりすぎて流れが悪いトコあるし。
自分の作品でリメイクしたいのを1本だけ選ぶとしたら多分コレです。
病弱で鳴らした中学生「横路くん」はついに究極の病気になってしまう。江戸時代の絶滅風土病・伝説の不治の病!その名も「富士病」だ。
横路に密かに想いを寄せる保険委員「眉月秋奈」の助けを求める声に応えてナイスなヒーローが現れた!筋肉質に白衣をまとい、何故かひたいに「好意」と書いた謎の「校医」”白井巨塔”こと「治療博士」である。
しかし、その名前とは裏腹に彼は全く治療らしい治療をしなかった!
「病気になりやすい病気」富士病の副作用で次々と不思議な病気にかかっていく横路くん。そしてついに富士病が空気感染することが発覚した! ピーンチ!!!!!!
果たして、眉月秋奈の”愛”で横路くんの病気は峠を越すことが出来るのか?
わっはっは、これなー、持ち込んだんだよなー「荒鷲の伝説」と一緒に(爆)いや、でも、持ち込んだときの編集者の評価はこっちの方が良かったんだよね。ま、わかりやすいし(^^)
ところで、手塚赤塚賞の審査って「5点、入選」「2点、佳作」「3点、該当なし」みたいな感じに、点数とは別に、それぞれの審査員が賞に押すかどうか投票して、評価を下すんだけど、上位の入賞作でも実際に賞に押しているのは10人以上いる審査員のうち、3、4人だったりするもんなんだけど、この漫画だけは審査員全員が「佳作」に押すという「完全無欠の佳作」だったという。いや、もちろん、イイ事だなんて思ってないですハイ(^^;)
で、何でおいらがこんな事知ってるかというと、あの時の受賞者のみんなで、編集者が持ってた採点表をこっそりコンビニでコピーしたからなんだよね(笑)
一緒にいたメンバーの中には、なんとあの今をときめく○月☆宏先生(当時18歳)もいたりして(^^)。 いやー楽しい思いでッス。
この地にまだ日本という国がなかった頃、古いむかしむかしの物語。
北の辺境、チリウの村は恐ろしい魔物に脅かされていた。
「魔が来ると書いて”来魔(くま)”と呼ぶ」
狩人の少年アラシは幼なじみの少女、舞依が来魔の生け贄になると聞いて激怒する。だが、まだ若く狩人として一人前の男と認められないアラシの言葉は、村の大人たちには聞いてもらえない。そんな時、アラシは村の女たちの会話から、山の中に眠る伝説の剣「十字剣」の存在を知る。村長から十字剣の在処を聞き出すアラシだが、村長は「十字剣は人間には使えない」という謎の言葉を残す。
舞依が生け贄として山に送られる日。アラシは先回りして山に入り、とうとう十字剣とまみえる。想像を絶する十字剣の正体に愕然とするアラシだが、ついに意を決してその恐るべき”倒魔の剣”を振り上げた。
魔物との壮絶な死闘の幕が切って落とされる。
実は、この「倒魔の剣」からボクの漫画を知っていると言ってくれる人は意外と多いのだ(^^)。
この作品中に出てくる「十字剣」というのは、”命〜紅の守護神”で強敵・シュラが最後の命との戦いで手にする最強の神剣「十拳剣(とつかのつるぎ)」と同一の物です。
思えば、ボクが日本神話に興味を持つきっかけになった漫画ですね。
作品的には、少々戦闘シーンを整理した方がよい気がするのと、ちょっとテーマ性が前に出すぎな感じがするのが難かなとも思うのですが、この構成がイイと言ってくれる人もいるので、きっとそれがこの漫画の持ち味なんでしょう(^^;)
大学卒業&上京まぎわに描いた作品で、荷物をすべて東京に送った後、大阪の先輩の隠れ家(笑)に2週間ほど篭り、描き上げたのは懐かしい思い出です。
その間、まったく風呂に入らなかったので、原稿描き上がったときには親指大のフケ(!)がいっぱいとれたというのは、人に知られると恥ずかしいので、キミとボクだけの秘密にしようね。(、、、って、あ〜〜〜きちゃない^^;;;;;;;;;;;;)
あの剣の伝説から300年がたっていた。
狩りの村に、父親を殺した巨大な3つ首の蛇への復讐を誓う一人の少年がいた。
少年の名は「アラシ」。
ある日、森の中でアラシは妹「舞依」をかばうため大邪と対決し、崖の上に突き刺さったままの「十字剣」の不思議な力で大邪の3つ首のうち一つをはねる事に成功する。
怒りに燃える大邪は村を襲い、舞依をさらってしまう。後を追おうとするアラシ。
しかし、村人はアラシの危険な追撃を引き留めるため、アラシと舞依が実は血のつながらない兄妹であることを告げる。舞依を守るという父親との約束を生きる支えにしてきたアラシは苦悩と涙の中で大邪との最後の血戦に挑む。血戦の場は十字剣の崖。
それは父ならぬ父との約束を守るため、そして大切な人を守るための戦いだった。
倒魔の剣の続編です。
前作がテーマ性を求めた物だとすると、この作品はさしづめ”ラブラブ性”(笑)を追求した物だといえるでしょう。ヒロインの舞依がお兄ちゃんのために色々と可愛い事(&結構おぞましい事も^^;)やってくれるんだけど、それが描いてて凄く楽しかったのが印象に残っています。
31枚で描いた自分の漫画の中では1番構成的にもバランスが取れており、プロになって初めてアンケートで手応えを感じることが出来た作品です。
ノって描いてたせいか、絵も下手な割には見れる絵になっているのが不思議(笑)。
ただ一つ悔しかったのは、後日この作品を読んだ、大学の先輩の女性作家、大宮直依様(仮名)に思いっきり、
主人公、難波大牙は警視庁捜査一課の刑事。大牙は、名刑事でオリンピック選手でもあった父の形見”ヘンメリー152”超精密競技用拳銃を手に、強引な手法とたった一発の弾丸を武器に犯罪者を追いつめる。だが、謎の武器密売組織「ファントム」を追いかける捜査の中で、大牙は10年前父を殺した犯人の存在に気づく。犯人におびき出された場所には意外な武器組織「ファントム」の正体が待っていた。
う〜ん、困ったな。この漫画、実は、あんまり良くない(笑)。
この解説を書くために久しぶりにちょっとだけ読んでみたが、出来の悪さに恥ずかしくて読めん(とほほ^^;)。
ちょうど、一番煮詰まってる頃だったんだねぇ。絵にしても、もともとそんなに上手くなかったモノが、何故かこの頃よりいっそう下手になってるし(笑)。
ただ、もちろん、描いてた当時はそんな事考えいたる訳もなく、主人公の決めゼリフ
「絶対射撃距離だ!」ってのが、きっと流行ると信じて頑張って描いていたのだ。
今では、この作品がコケたことは自分にとって良かったと思う。
いろんな意味で。(、、、フフ、本当にいろんな意味でねぇ。^^;)
2019年、更なる未来の宇宙開発のために二人の少年宇宙飛行士が選ばれた。サナダ=タクヤとリック=イアハート。13歳の二人ははるか高度36000kmの静止軌道上で、いがみ合いながらも徐々にお互いを理解するようになる。そんな二人の上に襲い来る意外な宇宙の落とし穴。極限の世界から奇跡の生還は出来るのか?
念願の宇宙モノ(^^)。楽しく描けた1本です。
アイデアは大学の航空宇宙特殊講義かなんかを受講しているときに思いついたモノで、しばらく暖めていたモノです。”STAR
BOY”のコンセプトはライトスタッフの影響が強いのですが、ボクなりに「未来の宇宙開発に生きる人間の資質の形って何だろう?」と考え抜いて描いたつもりです。
最近、友達に「またSTAR BOYみたいのやらないの?」と聞かれたりもしました。
わりと、ボクのこういったラインを気に入ってくれている方もいてくれるようで(有り難いことです^^)、構想は以前からあるので、いつか環境が許せば、シリーズでやれたらイイなと思っています。ま、今は無理ですが(笑)。
ところで、この漫画、最初にネームを見てもらったのがJ誌の元編集長のH氏、本に載せてくれたのがマガジンの現編集長N氏(命のmakingのページによく出てくる方です^^;)と、なんと2大少年誌の編集長のアドバイスを受けて出来あがったという、ちょっと変わった履歴を持った漫画でもあるのです(笑)。
あと、どうでもいいことですが、ボクがプロになって初めて締め切りを守った漫画でもあります(爆)。